医院の扉
2012.12 東京都A区
何か1つだけの色だったり
扉を開ける時の冷たいノブの感触だったり
少し引っかかって、その度にガラスが揺れて音がする扉だったり
糊の効いた白衣と
筋と血管が浮いたしわくちゃな手だったり
くるくる回る丸い椅子だったり
やたらと大きな象牙の聴診器だったり
ガチャガチャとぶつかる金属音だったり
喉の奥に差し込まれる舌圧子の味だったり
細長い金属の棒の先の脱脂綿にしみ込んだ茶色い液体だったり
最後にはえずいて涙目になっている自分だったりします。
by kuchiie
| 2012-12-18 10:41
| 扉